デジタル大辞泉 「寒」の意味・読み・例文・類語
かん【寒】[漢字項目]
[学習漢字]3年
1 さむい。さむさ。「寒気・寒暑・寒風・寒冷/
2 さびしい。貧しい。「寒村/貧寒」
3 身震いする。ぞっとする。「寒心」
4 一年のうち最も寒い時期の呼び名。「寒中/小寒・大寒」
5 さむい時期の。冬の。「
[名のり]さむ・ふゆ
かん【寒】
2 二十四節気の小寒と大寒の時期。暦の上で寒の入りから立春までの間。1月6日ごろから2月4日ごろまでの約30日間。「
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
暦のうえでは二十四節気のうち、小寒(1月6日~20日)と大寒(1月21日~2月4日)のそれぞれ15日ずつをあわせた30日間をいう。
気象学上、気温の低極が現れるのはほぼ寒の期間にあたっており、寒は季節の一つの極相とみることができる。この期間は旧暦ではほぼ年初にあたり、古来の俗信として、年初にあたる寒の天候をみて、その年1年間の天候を占うようなことも行われてきた。すなわち、寒の30日を2.5日ずつの12に配分し、そのおのおのの期間が、後の各月の天候に対応するものとして天候が占われてきた。これを「寒試し」という。この期間は冬至を過ぎているので、日中の時間は緩やかではあるが、しだいに延びていく一陽来復の期間でもある。この期間が終わり2月5日ごろの立春になることを「寒が明ける」という。年によっては寒の期間が暖冬になることがあるが、このような年は、気温の低極が寒を過ぎてからの2月に現れることが少なくない。
[根本順吉]
冬から春にかけての季節の推移を調べてみると、しだいに温暖になるのではなく、一進一退の寒暖の天候を繰り返しながら春になっていく。春先に一時、冬に戻ったような日が現れることがあるが、これを「寒の戻り」という。「寒の戻り」は毎年、不規則に現れる場合と、統計的におこりやすい日がほぼ決まっている場合(特異日という)とがあり、後者の例としては4月6日前後および4月23日ごろがあげられる。
寒の戻りの現れたときの天気図を調べてみると、それは、大陸方面から乾いた寒冷な気団が移動性高気圧となって東進してくる場合である。逆にこのような気圧配置から「寒の戻り」を予想することができる。
[根本順吉]
暦のうえの土用は1年中に4回あるが、そのうちの一つ、寒の土用は立春前の19日間、すなわち1月17日~2月4日までをいう。このころに非常に高い波が海岸に押し寄せることがあり、これを「寒の土用波」という。これは、冬季日本付近で発達した温帯低気圧によるものである。台風による土用波が台風来襲前に到来して台風の前兆になるのに対し、「寒の土用波」は低気圧が通過後に激しくなることが多く、その後の持続性も台風よりは長い。低気圧の進行速度と波速がほぼ一致するような場合は、次々に低気圧によってつくりだされる波が重なり、非常に高い土用波となることがある。
寒は俳諧(はいかい)では冬の季語で、次のような用語がある。寒の入り、寒の内、小寒、大寒、寒雨、寒固(かんがため)、寒の水、寒雷、寒見舞、寒紅、寒詣(かんもうで)、寒念仏、寒餅(かんもち)、寒造(かんづくり)、寒垢離(かんごり)、寒卵(かんたまご)、寒稽古(かんげいこ)など。
[根本順吉]
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