寛延記(読み)かんえんき

日本歴史地名大系 「寛延記」の解説

寛延記
かんえんき

三冊

成立 寛延二―三年

写本 屏山文庫

解説 久留米藩領の地誌とも称すべき書。第一巻に御井・御原二郡、第二巻に下妻・上妻・三潴三郡、第三巻に生葉・竹野・山本三郡を収録する。写本では上妻・三潴二郡における六割近くの村が欠落しているが、第二次世界大戦前の郷土史誌には欠落した村々の書上が引用されていることから、原本は全郡の村々を網羅していたと推測されている。内容は各村で祀られている神社から祠・神木に至るまでの規模由来祭礼などを中心に、寺院古城跡などの記述もある。寛文一〇年の久留米藩社方開基(「福岡県史資料」第四輯所収)よりも詳細な内容をもち、当時の人々の精神生活を知ることができる。

活字本 「久留米史料叢書」第三集。のち発見されたものが、「久留米郷土研究会誌」一七号に紹介されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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