対フィリピン多国間援助構想(読み)たいフィリピンたこくかんえんじょこうそう(その他表記)Multilateral Aid Initiative to the philipines; MAI

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

対フィリピン多国間援助構想
たいフィリピンたこくかんえんじょこうそう
Multilateral Aid Initiative to the philipines; MAI

東南アジア地域の安定に寄与する米軍基地をかかえ,かつ財政難に直面していたフィリピンの負担を軽減しようと 1987年の東南アジア諸国連合 (ASEAN) 首脳会議,および翌年の ASEAN外相会議で,シンガポールを中心に提唱された多国間援助構想。 ASEANを中心とする東南アジア諸国は,地域の安全保障をベトナムに駐留するソ連軍と対峙する形でフィリピンに駐留していたアメリカ軍に依存していた。しかし,フィリピンは多額の債務をかかえ,かつ国内に米軍基地存続反対のナショナリズムが高まっていたことから,アメリカに軍駐留の見返りとしての援助の増額を要求し,かつ周辺諸国に米軍の維持による安全保障の負担分担としての援助を要求し続けてきた。多国間援助構想はこれにこたえようとするものであったが,米ソ和解により冷戦が終結し,また 91年にフィリピン上院が在比米軍基地の存続を認める比米友好協力安保条約の批准を否決して米軍の撤退が決定したため,構想は立消えとなった。

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