対イラク国連経済制裁(読み)たいイラクこくれんけいざいせいさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対イラク国連経済制裁」の意味・わかりやすい解説

対イラク国連経済制裁
たいイラクこくれんけいざいせいさい

イラクによるクウェート侵攻直後の 1990年8月6日に採択された安保理決議 611号は,イラクに対する全面的経済制裁を要求した。それは湾岸戦争終結後も依然として継続中で,91年3月,食糧禁輸のみ解除された。 91年8月,安保理決議 706号で,戦争賠償支払いや国民生活の必需物資の購入,国境画定作業や大量破壊兵器廃棄の経費のため例外的に一度,最高 16億ドル相当の原油輸出を認めたが,イラクはこれを拒否し,石油の輸出は大半が止まったままである。 93年7月,イラクは弾道ミサイル実験場に対する監視カメラ受入れの代りに石油の輸出緩和を求め,国連との間で制裁解除をめぐる話し合いが行われている。

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