国指定史跡ガイド 「寿福寺境内」の解説
じゅふくじけいだい【寿福寺境内】
神奈川県鎌倉市扇ガ谷にある臨済宗建長寺派の寺院。鎌倉の中心部の北西、扇ガ谷に位置し、背後に標高92mの源氏山を背負って東面している。山号は亀谷(きこく)山で、鎌倉五山第3位。源頼朝没後の1200年(正治2)、北条政子が頼朝の父、義朝の旧邸跡に明庵栄西(みょうあんえいさい)を招いて創建。創建当時、七堂伽藍(がらん)が整い、14の塔頭を有する大寺院で、その後2度焼失するが、幕府の保護を受けて復興。円爾弁円(えんにべんえん)、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)などの名僧が入寺し、禅宗文化発展の根拠地となったことから、1966年(昭和41)に国の史跡に指定された。国の重要文化財として木造地蔵菩薩立像、『喫茶養生記』古写本などを所蔵し、境内裏手の墓地には大佛次郎(おさらぎじろう)や高浜虚子(たかはまきょし)の墓、さらにその奥には、北条政子と源実朝の墓と伝わるやぐらがある。JR横須賀線ほか鎌倉駅から徒歩約10分。