小佐手村(読み)おさでむら

日本歴史地名大系 「小佐手村」の解説

小佐手村
おさでむら

[現在地名]勝沼町小佐手

鬢櫛びんぐし川を境にやま村の南に位置し、南は田草たくさ川を挟んで勝沼村。村の広さは東西一二町・南北七町(文政一三年「村明細帳」鶴田俊男家文書)。甲斐守護武田信重の子永信が当地に拠点を構え、小佐手(於佐手)氏を称したといわれるが、確実な史料はない。天正一〇年(一五八二)四月日の織田信長禁制(東林寺文書)に「山梨郡小佐手村東林院」とある。翌一一年四月二六日には大善だいぜん寺領として「勝沼長手之内壱貫六百文」が安堵されている(「徳川家康印判状写」大善寺文書)。同一五年三月二日の願念等連署証文(八田政統家文書)によれば、当地には武田氏蔵前衆の末木淡路守家重が長谷川尾張守から買得した畠があり、これを含む家重の遺領をめぐって八田はつた(現石和町)東市佑と三沢美濃守妻(家重女)が相続相論を展開しているが、願念・窪田惣左衛門尉らが仲裁に入り、家重女へ相続させることで決着させている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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