東林寺(読み)とうりんじ

精選版 日本国語大辞典 「東林寺」の意味・読み・例文・類語

とうりん‐じ【東林寺】

  1. 静岡県伊東市馬場町にある曹洞宗の寺。山号稲荷山。平安末期、伊東祐親が嫡子祐泰の菩提を弔うために創建。祐泰の子曾我兄弟供養塔がある。

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日本歴史地名大系 「東林寺」の解説

東林寺
とうりんじ

[現在地名]志度町志度

多和たわ神社の北にある。恵遠山放光院と号し、浄土宗、本尊阿弥陀如来。「讃岐国名勝図会」に「当寺は岡御堂の旧跡を、延宝四年国祖君源英公御再興ありて寺領五十石をたまへり」と記され、栄国えいこく(現白鳥町)国清こくせい(現高松市)真福しんぷく(現仲多度郡満濃町)とともに高松藩主松平頼重が中興した浄土宗四ヵ寺の一である。「岡御堂の旧跡」については明らかでなく、おそらく私的な新寺建立が幕命により禁じられていたので、岡御堂再興という名目で当寺を建立したとみられている。


東林寺
とうりんじ

[現在地名]久留米市山川町

高良こうら山の北西斜面、王子おうじ山にある。真言宗東寺派。山号は霊松山。本尊は千手観音。久留米藩四代藩主有馬頼元は江戸本郷の護持院霊雲れいうん(現東京都文京区)の金剛幢院慈妙空慧に帰依していたが、元禄八年(一六九五)侍従昇進が成就、同一〇年に旧松崎領一万石の返還が実現し、同一四年国主に昇格した。同一五年将軍家および斡旋・祈願にあたった空慧に報謝の意を表すため、将軍家ならびに有馬藩の安泰を祈願する祈祷所を御井郡光勝寺こうしようじ村に空慧を開山として建立した(郷土研究筑後)。当寺の規模は宏壮を極め、本堂・宝蔵・五重塔・鐘楼・閻魔堂・庫裏などが備わり、八幡宮天満宮・大神宮・稲荷社なども建立された。


東林寺
とうりんじ

[現在地名]滝沢村大釜 外館

国道四六号の北に位置し、東を主要地方道盛岡環状線が通る。岩鷲山と号し、曹洞宗、本尊釈迦如来。安永九年(一七八〇)の厨川通絵図(盛岡市中央公民館蔵)では、日向ひなた一里塚の東に稲荷とみえ、鳥居の向いを篠木しのぎ村に至る道と、大釜おおがま村八幡宮の南から土淵つちぶち(現盛岡市)へ至る道との辻に、杉木立に囲まれて当寺が描かれる。


東林寺
とうりんじ

[現在地名]脇町脇町 北島

脇町市街の北西にある。虎渓山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。大永二年(一五二二)照誉により創建された(蓮門精舎旧詞)。中国盧山の虎渓山東林寺を模して建立したといい、岩倉いわくら城主三好氏、次いで稲田氏の帰依が厚かったとされる。江戸時代には徳島藩の役人や藩主の休泊所に用いられた。


東林寺
とうりんじ

[現在地名]神岡町中山

中山なかやま集落南方の山麓に位置する。集落から寺への参道を国道四一号・神岡鉄道が横切る。谷中山と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。寺伝では越中国新川にいかわ東猪谷ひがしいのたに(現富山県上新川郡大沢野町)宝樹ほうじゆ寺の草庵であったが、享保年間(一七一六―三六)寺号を授けられ、東林寺と号した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「東林寺」の意味・わかりやすい解説

東林寺 (とうりんじ)
Dōng lín sì

中国,江西省北部の廬山の北西麓に位置する寺院。東晋の僧慧遠(えおん)が,桓伊(かんい)の寄進で,4世紀末に建てた古刹。慧永の住した西林寺に対した。慧遠がこの寺の阿弥陀像の前で123人の同志と〈白蓮社〉という念仏の結社を創設して以後,中国における浄土教の根本道場となり,高僧や文人墨客がしきりに訪れた。今も山門には南無阿弥陀仏の名号を掲げ,慧遠の像をまつる三笑堂や槙の大樹に囲まれた念仏堂がある。
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世界大百科事典(旧版)内の東林寺の言及

【慧遠】より

…かくて釈道安に従って各地を転々として,365年(興寧3)に襄陽に移った。しかし襄陽が379年(太元4)に前秦の軍隊に襲われ,釈道安らが長安に拉致(らち)されたため,慧遠は乱を避け弟子数十人を引きつれて荆州上明寺にいたり,さらに羅浮山に赴こうとする途中,廬山の景勝の地で先輩の慧永にとどめられ,江州刺史の桓伊の寄進で東林寺を建て,そこに住した。 それ以後,416年に83歳で没するまでの30年ばかり,〈影,山を出でず,迹,俗に入らず〉の生活をつづけたが,その宗教的感化は江南全域におよび,多くの僧侶のみならず,劉遺民,宗炳(そうへい),雷次宗といった知識人が雲集することになった。…

【廬山】より

…また後漢の明帝のときには仏教の中心地の一つとなり,多くの寺院が山上・山下に建てられた。特に東林寺では南朝晋のときに慧遠(えおん)が出て蓮社(白蓮社)を設立し,弥陀浄土法門を唱えて浄土宗の始祖となった。鑑真(がんじん)も日本へ渡来する前にここを訪れ,本寺の智恩(ちおん)とともに渡日を実行したのであった。…

※「東林寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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