愛知県豊田市(とよたし)の一地区。旧松平町。矢作(やはぎ)川支流の巴(ともえ)川流域に位置し、徳川家康の祖松平氏発祥の地である。高月院は松平氏の菩提寺(ぼだいじ)で初代親氏(ちかうじ)、2代泰親(やすちか)、4代親忠(ちかただ)の墓所がある。付近に山城(やまじろ)跡や居館跡があり、山城跡は居館跡の南東方、標高約300メートルの山上に位置する。居館跡には松平東照宮が祀(まつ)られ、また松平家ゆかりの品を展示する松平郷館がある。一帯は松平氏遺跡として国の史跡に指定。中心集落の九久平(くぎゅうだいら)は巴川舟運の終点の河港、また、七里(しちり)街道の宿場町として栄えた。国道301号が通じる。
[伊藤郷平]
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