小児洞(読み)しょうにどう(その他表記)Grotte des Enfants

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小児洞」の意味・わかりやすい解説

小児洞
しょうにどう
Grotte des Enfants

フランスとイタリアの国境にあるグリマルディ洞窟群の一つ。 1874~75年に発掘された。名称はこの洞窟上層から2体の小児骨が発見されたことに由来する。洞窟内の堆積物は 9m以上に及び,そのなかから小児骨を含めて4体のクロマニヨン人種と,その下層から2体のグリマルディ人種の埋葬人骨が発見された。下層の2体は老年の女性と 10代の男子と推定され,推定身長はそれぞれ 157cm,155cmの低身長で,長頭,広鼻,突顎などの特徴をもつ。この2体は R.ベルノーが,黒人的特徴をとらえてグリマルディ人種として記載した。これらの6体はヨーロッパ後期旧石器時代のオーリニャック期に属する。洞窟の最下層からは,中期旧石器時代,ムスティエ期の石器が炉跡とともに発見された。炉跡は,最下層から最上層までに4ヵ所発見されている。

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