小墾田(読み)オハリダ

デジタル大辞泉 「小墾田」の意味・読み・例文・類語

おはりだ〔をはりだ〕【小墾田】

奈良県高市郡飛鳥あすか地方のこと。
「―の板田の橋のこほれなばけたより行かむな恋ひそ我妹わぎも」〈・二六四四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「小墾田」の解説

小墾田
おはりだ

明日香村大字豊浦とようら付近にあったと推定される古地名。小治田とも書く。「日本書紀」朱鳥元年(六八六)一二月一九日条に「無遮大会を五つの寺、大官・飛鳥・川原・小墾田豊浦坂田に設く」とあり、同じく欽明天皇一三年一〇月条に「大臣(蘇我稲目)跪きて受けたまはりて忻悦ぶ。小墾田の家に安置せまつる。懃に、世を出づる業を修めて因とす。向原の家を浄め捨ひて寺とす云々」とみえ、稲目の小墾田の家が豊浦とゆら寺の前身とされることなどから、いちおう現豊浦付近と考えられよう。しかし範囲については明確ではない。「古事記」安康天皇段に、雄略天皇が兄の白日王子を殺して小治田に穴を掘って埋めたとあるのが初見。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小墾田の言及

【小墾田宮】より

…603年(推古11)10月,推古天皇は,豊浦宮より小墾田宮に移る。そして,628年(推古36)3月に没するまでの間,この小墾田宮が推古朝政治の舞台となった。…

※「小墾田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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