小林益川理論(読み)コバヤシマスカワリロン

デジタル大辞泉 「小林益川理論」の意味・読み・例文・類語

こばやしますかわ‐りろん〔こばやしますかは‐〕【小林益川理論】

昭和48年(1973)、小林誠益川敏英が提唱した素粒子物理学に関する基礎理論。基本粒子クオークが少なくとも3世代(6種類)以上存在することを予言し、それらの世代間混合を導入するとCP対称性の破れを説明できることを示した。2000年代に高エネルギー加速器研究機構ベル実験などで理論の正しさが検証され、平成20年(2008)に両氏ともノーベル物理学賞を受賞した。

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知恵蔵 「小林益川理論」の解説

小林・益川理論

中性K中間子の崩壊CP対称性の破れが見つかったのを受けて、この破れは、クオークが3世代以上あれば起こるとの見方などを盛り込んだ理論。1973年、小林誠(現・高エネルギー加速器研究機構名誉教授)と益川敏英(現・京大名誉教授)が示した。その予想は的中し、クオークは90年代半ばに最後のトップが発見されたことで3世代6種の顔ぶれがそろった。2000年代に入ると、日米のBファクトリー実験がB中間子反B中間子の崩壊で破れを精密に観測して、この理論を裏づけた。2人は08年、南部陽一郎(米シカゴ大名誉教授)とともにノーベル物理学賞を贈られることになった。

(尾関章 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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