朝日日本歴史人物事典 「小林良典」の解説
小林良典
生年:文化3.3.28(1806.5.16)
幕末の公家家臣(鷹司家諸大夫)。鷹司家諸大夫小林元次と典薬頭小森頼望の娘叙子の子。弘化1(1844)年,民部権大輔となる。安政5(1858)年,条約勅許を主張する鷹司政通に入説し,勅許不可へとその態度を一変させた。安政の大獄(1858~59)によって逮捕され,江戸へ檻送。翌年,獄中にて死亡した。公家家臣中の最有力人物とみなされており,その捕縛は朝廷内に衝撃を与えた。一方,政通の関白在職中からの権臣として,才智・胆略もあり重用されたが,種々のことに関係して賄賂を貪ったため,人々は恐れて,「狼」あるいは「鷲」とも称したという。
(箱石大)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報