小河湊(読み)こがわみなと

日本歴史地名大系 「小河湊」の解説

小河湊
こがわみなと

現在の小川港の前身と考えられる中世の湊。応永二〇年(一四一三)一〇月二五日の遠江守護代甲斐祐徳書状(南禅寺文書)に「小河津」とあり、当湊に京都南禅寺初倉はづくら庄の年貢米を運ぶ途中、狩野七郎右衛門尉の被官人から妨害を受けており、同庄年貢米は当湊から船積みされ南禅寺に送られていた。文明一七年(一四八五)九月一九日、美濃から武蔵へ旅する漢詩人万里集九一行は遠江懸塚かけつか(現竜洋町)を出港し当湊に入港した。当湊の所在する浜は「袖浦」とよばれる名所で、湊には多くの大船が入港していて、湊の道路はひどく汚れていたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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