梅花無尽蔵(読み)ばいかむじんぞう

改訂新版 世界大百科事典 「梅花無尽蔵」の意味・わかりやすい解説

梅花無尽蔵 (ばいかむじんぞう)

室町中期の禅僧万里集九(ばんりしゆうく)の詩文集。7巻。書名著者が影響をうけた南宋陸游(りくゆう)の詩〈要識梅花無尽蔵,人人襟袖帯香帰〉を出典とする。美濃鵜沼の庵居にも同じ名をつけた。作品中最後の年記は文亀2年(1502)3月で,著者みずからが整理分類して各部類ごとに年代順に配した。題下および文末などに自注を付ける。本文と自注には作者足跡が及んだ各地のようすを伝える記事がみえる。《五山文学新集》《続群書類従所収
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「梅花無尽蔵」の解説

梅花無尽蔵
ばいかむじんぞう

室町中期の禅僧万里集九(ばんりしゅうく)の漢詩文集。万里の庵の名を書名とする。7巻。成立年不詳。巻1~3は七言絶句を編年順に配列,巻4は頌・雑体・四言詩六言詩,巻5は頌・詩,巻6・7は雑文からなる。写本に国会図書館本などがある。異本に京大本「五山禅僧詩文集」がある。「続群書類従」「五山文学新集」所収。

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世界大百科事典(旧版)内の梅花無尽蔵の言及

【万里集九】より

…蔵主の位までのぼったが応仁の乱後に還俗して漆桶万里(しつとうばんり)と称した。乱をのがれて美濃鵜沼に退き,庵を結び〈梅花無尽蔵〉と号す。これにちなんで別称を梅庵,椿岩,梅花無尽蔵漆桶子という。…

※「梅花無尽蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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