小顎症(読み)しょうがくしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小顎症」の意味・わかりやすい解説

小顎症
しょうがくしょう

顎骨(がくこつ)の発達が悪いために、あご正常より小さくなる疾患をいう。小上顎症と小下顎症とがあるが、多くの場合は下顎骨の小さいものをさす。顎骨の変形によって下顎の歯列が上顎歯列に対して遠心(遠い側)に咬合(こうごう)していることが多く、小下顎症の患者の側貌(そくぼう)は鳥相bird faceといわれる。小下顎症は、先天的疾患の一部たとえば胎児性軟骨異栄養症としておこる場合と、後天的なものである乳児期における顎関節強直症のほか、関節リウマチ、下顎骨骨髄炎などによっておこる場合とがある。後天的なものには片側性の小下顎症もあり、この場合は左右非対称の顔貌となる。

[市丸展子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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