少数キャリヤー(読み)ショウスウキャリヤー

化学辞典 第2版 「少数キャリヤー」の解説

少数キャリヤー
ショウスウキャリヤー
minority carrier

少数担体ともいう.半導体中にある2種類のキャリヤーのうち,少数個存在するキャリヤー.n型半導体では正孔,p型半導体では電子をさす.多数キャリヤーに比べればけた違いに少ないが,真性半導体またはそれに近い不純物半導体では,両キャリヤーは同数か同数に近くなる.少数キャリヤーはダイオードにおいて逆方向飽和電流の大きさを決め,またトランジスターではこの少数キャリヤーをベース領域に流し込むこと(キャリヤーの注入)によってトランジスター作用が起こることからわかるように,半導体素子において重要な役割を果たす.この少数キャリヤーが熱平衡状態より過剰に存在すれば,多数キャリヤーと再結合して平衡値に近づくが,このとき要する時間が,半導体素子の応答時間を決める場合が多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android