不純物半導体(読み)ふじゅんぶつはんどうたい(英語表記)impurity semiconductor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不純物半導体
ふじゅんぶつはんどうたい
impurity semiconductor

電気伝導において電荷を運ぶキャリアがおもに不純物元素により供給される半導体。ほとんど電気を流さない真性半導体に不純物を加えることで電気を流すようになる。通常 10-3~10-8 程度の割合の不純物元素を含む。キャリアが電子である場合をn型半導体,キャリアが正孔である場合をp型半導体という。n型半導体には電子を供与するドナーが,p型半導体には正孔をつくるアクセプタが存在する。1つの結晶に部分的にドナーとアクセプタとを含ませた場合,ドナーの存在する部分をn領域,アクセプタの存在する部分をp領域,両者の境界を n-p 接合と呼び,ダイオードトランジスタなどが形成される。不純物半導体も高温になると通常は真性半導体に近づく。

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化学辞典 第2版の解説

不純物半導体
フジュンブツハンドウタイ
impurity semiconductor

真性半導体ドナーアクセプターとなる不純物を加えたもので,外来半導体ともよぶ.不純物半導体には多数キャリヤーが電子であるn型半導体と正孔であるp型半導体があり,それらの電気伝導率は室温付近において添加した不純物量にほぼ比例する.また,キャリヤー移動度は,高温領域では格子散乱,低温領域では不純物散乱の影響を受ける.一般にn型半導体をつくるには,GeやSiでは周期表15族元素,3~15族化合物半導体では14族または16族元素を添加し,p型半導体をつくるには,GeやSiでは3族元素,3~15族半導体では2族または14族元素を加える.しかし,14族元素は3~15族化合物半導体に対して,条件しだいでドナーとしてもアクセプターとしても入ることができるため,これを両性不純物とよぶ.広い意味の不純物半導体には,故意に不純物を添加しなくても格子欠陥や過剰原子などによる準位ができ,これが不純物準位としてふるまうものも含まれる.このような例は化合物半導体によくみられ,過剰なカチオンおよびアニオンの空格子点はドナーとして,またこの逆はアクセプターとして動作することが多い.ダイオードやトランジスターをはじめ,数多くの半導体素子はこの不純物半導体の各種組合せからなっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の不純物半導体の言及

【半導体】より

…しかし常温である程度の電気伝導性を示すためには,ギャップEGはかなり小さい必要があり,そのような物質は現実にはあまりたくさんない。そこでむしろ重要となるのが,次に述べる不純物半導体である。
[不純物半導体]
 もっともよく知られているのは,5価(例えばP,Asなど)または3価(B,Ga,Inなど)の原子を不純物として加えた(ドープという)SiやGeの結晶である。…

※「不純物半導体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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