尻海村(読み)しりみむら

日本歴史地名大系 「尻海村」の解説

尻海村
しりみむら

[現在地名]邑久町尻海

南と東は瀬戸内海に面し、北は庄田しようだ村、西は小津おづ(現牛窓町)に接する。大きく入り込んだ錦海きんかい湾の北岸に船着場をもつ、古くから漁業と廻船業の発達した村。寛永備前国絵図に村名がみえ、高四二五石余。正保郷帳には枝村として大土井おおどい村が載る。「備陽記」には、田畑五九町六反余、家数二七四・人数一千七〇六、二端帆から二一端帆までの船九四、「此村四季共ニ猟アリ」とあり、漁業および廻船業がきわめて盛んであったことがわかる。文化年間の「岡山藩領手鑑」によれば、直高七七二石余で蔵入。反別は田三一町六反余・畑二八町一反余、開田畑六町余、家数四三一・人数一千七七〇、牛七八、社方家七、宮二(社領高八斗)、薬師堂一・観音堂一、樋三二(汐樋五・池樋二七)・石樋三、石橋四・土橋二、百姓自林一五六町余、池二七(樋守給二石九斗で八人割)、波戸二、船数九〇(大舟六・小舟八四)、猟師鉄砲四、高札一。なお海産物ナマコがある(「備陽国誌」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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