精選版 日本国語大辞典 「尻餠」の意味・読み・例文・類語
しり‐もち【尻餠】
- 〘 名詞 〙
- ① 後ろに倒れて地面に尻をつくこと。
- [初出の実例]「『某が目のはたらくやうに、ちらりちらり、した』と云て、しりもちつきわらふなり」(出典:虎明本狂言・鼻取相撲(室町末‐近世初))
- ② めでたいときや祝いのときなどに、餠に腰をかけること。また、その餠。特に、子どもの初誕生につく餠。この餠で子どもの尻をたたいたり、餠に腰をかけさせたりする。初誕生前に歩き始めた子どもにだけ行なう地方もある。どの場合も、その餠は切って親戚などに配る。
- [初出の実例]「尻もちもつきてよろこぶ歳暮哉〈貞徳〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)六)
- ③ 喜んでこおどりすること。
- [初出の実例]「おもしろと尻もち月の詠哉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)一)