尾花粥(読み)オバナガユ

デジタル大辞泉 「尾花粥」の意味・読み・例文・類語

おばな‐がゆ〔をばな‐〕【尾花×粥】

昔、宮中で疫病よけのために、八朔はっさく8月1日)に食べたかゆ。ススキ花穂黒焼きにして入れた。江戸時代には民間でも行われ、早稲わせの黒焼きや黒ごまを用いることもあった。おばなのかゆ。 秋》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 八朔 尾花 名詞

世界大百科事典(旧版)内の尾花粥の言及

【粥】より

…芋粥は,現在ではふつうサツマイモを入れたものを指すが,芥川竜之介の《芋粥》に描かれた平安時代のそれは薯蕷(しよよ)粥ともいい,ヤマノイモを切って甘葛(あまずら)の汁で煮ただけの,汁粉のようなものであった。粥はハレの日の食物とされることが多く,正月の七草粥,小豆(あずき)粥のほか,8月1日には宮中などで尾花粥,12月8日には寺院などでは紅糟(うんぞう)粥を食べた。尾花粥は古く諏訪大社の御射山(みさやま)の神事に始まるといい,ススキを黒焼きにして粥に混ぜたものだったが,後には黒ゴマを代用するようにもなった。…

※「尾花粥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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