デジタル大辞泉
「薄」の意味・読み・例文・類語
うす【薄】
[語素]
1 名詞・形容詞・動詞などの上に付く。
㋐厚みが少ない意を表す。「薄板」「薄氷」
㋑色が濃くない意を表す。「薄紫」「薄緑」
㋒濃度や密度が少ない意を表す。「薄味」「薄化粧」「薄霧」
㋓程度が少ない意を表す。「薄暗い」「薄明かり」
㋔なんとなく、どことなく、ちょっとの意を表す。「薄気味悪い」「薄よごれる」「薄ぼんやり」
2 名詞の下に付いて形容動詞をつくり、少ない、小さい、ほとんどない、の意を表す。「品薄」「望み薄」「気乗り薄」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すすき【薄・芒】
- 〘 名詞 〙
- ① イネ科の多年草。各地の山野に群生する。稈と葉は根もとから群がって生え、大きな株となる。高さ一~二メートル。葉は長さ六〇~九〇センチメートルの線形、先はとがり縁に細い鋸歯(きょし)がある。下部は鞘(さや)となって稈を包む。秋、茎頂に十数本の短い枝を分け、長さ一五~三〇センチメートルのほぼ円錐形で黄褐色の花穂をつける。花穂には節ごとに無柄と有柄の小穂を双生。小穂は長さ五~七ミリメートルの披針形で、基部にそれとほぼ同長の白毛を多数生じる。芒(のぎ)は小穂の約三倍に達する。茎・葉で屋根をふき、根茎は利尿薬になる。秋の七草の一つ。「箋注和名抄‐一〇」に「薄〈略〉按古謂二草叢生者一、為二須須岐一、非二一草之名一」とあるように、古くは葦、荻(おぎ)などをも含めて総称した。おばな。かや。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「土を堀ること丈余(ひとつゑあまり)、草(かや)を以て其の上を蓋(ふく)。敦(あつ)く茅萩(ススキ)を敷きて」(出典:日本書紀(720)仁徳六二年五月(前田本訓))
- 「秋の野のおしなべたるをかしさはすすきこそあれ」(出典:枕草子(10C終)六七)
- ② 紋所の名。①の穂と葉とを組み合わせて図案化したもの。薄の丸、雪輪に薄、抱き花薄などがある。
雪輪に薄@薄の丸
- ③ 襲(かさね)の色目の一つ。表は蘇芳(すおう)で、裏地は青色のもの。〔満佐須計装束抄(1184)〕
- ④ 遊里などで、芸娼妓の身揚がりをいう。
- [初出の実例]「又は或時の身あがり、無花(ススキ)の情にまねかれて」(出典:洒落本・戯言浮世瓢箪(1797)二)
薄の補助注記
穂は褐色で後、白色に変わる。その穂のさまが獣の尾に似ているところから「尾花(おばな)」ともいわれる。「万葉集」では「すすき」「おばな」ともに用例が認められる。
うす【薄】
- ( 形容詞「うすい」の語幹から )
- [ 1 ] 〘 造語要素 〙
- [ 一 ] 名詞、形容詞、動詞などの上に付く。
- ① 厚みが少ない意を表わす。「うすいた」「うすごおり」
- ② 色が濃くない意を表わす。「うす紫」「うす紅(くれない)」「うす黄色」
- ③ 濃度や密度が少ない意を表わす。「うす霧」「うす雲」「うすがすむ」「うす味」「うすからい」
- ④ 程度が少ない意を表わす。「うすあかり」「うす化粧」
- ⑤ 思慮、知識が乏しい。浅薄である。「うすばか」
- ⑥ なんとなく、かすかに、の意を表わす。「うす笑い」「うす約束」「うす汚ない」「うす気味悪い」
- [初出の実例]「コノとんちきめは薄(ウス)因起(いんぎ)のわりい泣出しアがって」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一五)
- [ 二 ] ( 名詞の下に付いて、形容動詞を作る ) 度合が少ない意を表わす。「望みうす」「期待うす」「気乗りうす」
- [ 2 ] ⇒おうす(御薄)
うそ【薄】
- 〘 接頭語 〙 ( 形容詞「うすい」の語幹「うす」の変化したもの )
- ① 名詞の上に付いて「薄い」意を添える。「うそ霞」「うそ雲」
- ② 動詞、非情意性形容詞、状態性名詞などの上に付いて、その動作、状態の程度が軽いことを表わす。すこし。わずかに。「うそ笑む」「うそ暗い」「うそ黄」
- ③ 主に形容詞、形容動詞、状態性動詞の上に付いて、なんとなく(どことなく)そのような感じである、いやに(変に、妙に)そのように感じられる、などの意を添える。「うそさぶい」「うそよごれる」「うそけんどん」
薄の語誌
中世を遡る「うそ…」の例は見出しにくく、また、「うすぐもる・うそぐもる」、「うすぐろし・うそぐろし」など両様の形を持つものについて、「うす…」と「うそ…」の間に意味的な差異を見出しにくいことなどから、中世に特徴的なオ列音・ウ列音間の動揺を背景として「うす…」が音転したものと見るべきであろう。なお③に準じるものとして「うそ‐気味が悪い」「うそ‐腹が立つ」などのように連語の上に付く場合もある。
うっすら【薄】
- 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴う場合が多い ) 物事の度合のかすかなさまを表わす語。うすく。かすかに。ほのかに。うっすり。
- [初出の実例]「黒はうっすらとくろいぞ」(出典:玉塵抄(1563)三二)
- 「遙かの果てに地方(ぢがた)の山が薄っすら見える」(出典:千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉)
うっすり【薄】
- 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴う場合が多い ) =うっすら(薄)
- [初出の実例]「うっすりと門の瓦に雪降て〈許六〉」(出典:俳諧・深川(1693))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「薄」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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薄 (ススキ)
学名:Miscanthus sinensis
植物。イネ科の多年草,園芸植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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