山中暦日なし(読み)サンチュウレキジツナシ

デジタル大辞泉 「山中暦日なし」の意味・読み・例文・類語

山中さんちゅう暦日れきじつなし

《「唐詩選所収の太上隠者「答人」から》山の中に閑居していると、のんびりして年月の過ぎるのも忘れる。

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精選版 日本国語大辞典 「山中暦日なし」の意味・読み・例文・類語

さんちゅう【山中】 暦日(れきじつ)なし

(「唐詩選‐太上隠者作、答人詩」の「偶来松樹下、高枕石頭眠、山中暦日、寒尽不年」から) 世間から隔たって山中にのんびりと暮らしていると、歳月のたつのを忘れる。〔譬喩尽(1786)〕

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故事成語を知る辞典 「山中暦日なし」の解説

山中暦日なし

世間を離れ、歳月が経つのも忘れてのんびり暮らすことのたとえ。

[使用例] とにかく、きょう、十五日の金曜日を、十六日、土曜日直人に思わせることに成功した。それというのも、もともと、「山中暦日なし」といった環境によるものだった[多岐川恭*消えた日曜日|1971]

[由来] 「唐詩選」に収録された、たいじょう隠者という謎の人物の詩の一句。この人物は、姓名を尋ねられると、「偶々たまたましょうじゅもとに来たり、枕を高くしてせきとうに眠る、山中暦日無し、かん尽くるも年を知らず(ふらりと松の木の下に来て、石を枕に落ち着いて眠る。山の暮らしには暦なんて関係なく、冬が終わって新春になったのにも気づかない)」という詩を残して立ち去った、ということです。

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