多岐川恭(読み)タキガワキョウ

デジタル大辞泉 「多岐川恭」の意味・読み・例文・類語

たきがわ‐きょう〔タキがは‐〕【多岐川恭】

[1920~1994]小説家福岡の生まれ。本名、松尾舜吉。本格推理小説時代小説ミステリーSFなど広い分野で作品発表。巧みなストーリー展開と綿密な性格描写多く読者を得た。「落ちる」で直木賞受賞。他に「れた心」「イブの時代」「ゆっくり雨太郎捕物控」など。

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20世紀日本人名事典 「多岐川恭」の解説

多岐川 恭
タキガワ キョウ

昭和・平成期の推理作家



生年
大正9(1920)年1月7日

没年
平成6(1994)年12月31日

出生地
福岡県北九州市八幡

本名
松尾 舜吉

別名
旧筆名=白家 太郎

学歴〔年〕
東京帝国大学経済学部〔昭和19年〕卒

主な受賞名〔年〕
江戸川乱歩賞(第4回)〔昭和33年〕「濡れた心」,直木賞(第40回)〔昭和33年〕「落ちる」,紫綬褒章〔平成1年〕

経歴
在学中に応召、長崎県の捕虜収容所で通訳戦後、東京銀行、毎日新聞記者を経て執筆生活に入る。昭和28年「みかん山」でデビュー。33年「濡れた心」で第4回江戸川乱歩賞、「落ちる」で第40回直木賞を受賞。ほかの代表作に「孤独な共犯者」「異郷の帆」「イブ時代」「氷柱」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多岐川恭」の意味・わかりやすい解説

多岐川恭
たきがわきょう
(1920―1994)

推理作家。本名松尾舜吉(しゅんきち)。北九州市生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。毎日新聞社西部本社に勤務。1953年(昭和28)から短編を手がけ、女子高校生の同性愛を絡ませた『濡(ぬ)れた心』(1958)で江戸川乱歩賞を、また短編集『落ちる』(1958)で直木賞を受賞。性格描写の巧みなストーリー・テラーで、SFミステリー『イヴの時代』(1961)、『ゆっくり雨太郎捕物控』(1968)などの作品もあり、本格推理、心理スリラー、時代小説と作域は広い。89年(平成1)紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章

[厚木 淳]

『『濡れた心』(講談社文庫)』『『落ちる』(徳間文庫)』『『ゆっくり雨太郎捕物控』全6巻(徳間文庫)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「多岐川恭」の解説

多岐川恭 たきがわ-きょう

1920-1994 昭和後期-平成時代の小説家。
大正9年1月7日生まれ。毎日新聞社に勤務しながら執筆をつづけ,昭和33年「濡れた心」で江戸川乱歩賞,34年短編集「落ちる」で直木賞。本格推理小説からSFミステリー,時代小説まで手がけた。平成6年12月31日死去。74歳。福岡県出身。東京帝大卒。本名は松尾舜吉。作品はほかに「孤独な共犯者」「異郷の帆」など。

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367日誕生日大事典 「多岐川恭」の解説

多岐川 恭 (たきがわ きょう)

生年月日:1920年1月7日
昭和時代;平成時代の推理作家
1994年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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