山師・山仕(読み)やまし

精選版 日本国語大辞典 「山師・山仕」の意味・読み・例文・類語

やま‐し【山師・山仕】

〘名〙
※清水霊験記(1323)「斗藪の行者筑後房と云山師を招請してこれを護身加持せしむ」
山林の買付や伐出しを請負う人。また、材木素性や蓄積量を見定める人。
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)四月八日「右之くじ、山師・山先十二三人集、きかせ候て」
鉱山の採掘事業を行なう者。また、鉱脈の発見・鑑定などをする人。鉱山業者。山や田地の売買を職業とする人にもいう。金山師(かなやまし)山主山元
※咄本・楽牽頭(1772)山師「御出入りの山師申上る様は、長崎海道に広根の松と申すが御座ります」
④ (鉱山の採掘事業がきわめて射倖的、場あたり的であるところから転じて) 投機的な事業をして金もうけをたくらむ人。山をはる人。やまこかし。
※雑俳・表若葉(1732)「利を先へ積は山仕の口車
⑤ 他人を欺いて利益を得ようと図る人。詐欺師。ペテン師。やまこかし。
浮世草子・風俗遊仙窟(1744)一「小紋立付大紋裘 疑是山師(ヤマシ)金蔓求」
※雑俳・柳多留‐二五(1794)「猪の逸太様の御長屋山師聞き」

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