20世紀日本人名事典 「山田キク」の解説
山田 キク
ヤマタ キク
大正・昭和期の小説家
- 生年
- 明治30(1897)年
- 没年
- 昭和50(1975)年
- 出生地
- フランス・リヨン
- 学歴〔年〕
- 聖心学院卒,ソルボンヌ大学
- 経歴
- 父は日本人外交官・山田忠澄(フランス・リヨン総領事)で、母はフランス人。父の任地フランスのリヨンで生まれる。日本に帰国して聖心学院で英語を学ぶ。また、遠州流や池坊の生け花を修め、日本文化に対する理解と知識を深めた。のち、東京のAP通信社に秘書として勤務し、読売新聞社発行のフランス文雑誌「極東」にも寄稿。大正12年再びフランスに渡って文筆業に従事し、随筆や小説を通じて日本文化の紹介に努めた。特に15年発表の小説「マサコ」や昭和2年の随筆集「障子」が著名で、その豊麗な散文詩的美文はポール・ヴァレリーやアンリ・ド・レニエらフランス詩文壇の大家たちから注目された。昭和7年スイス人画家のコンラド・メイリと結婚。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報