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池坊 いけのぼう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

池坊
いけのぼう

生け花の流派。現在の諸流派中では最古で最多の門下を擁する。池坊 (池房) とは元来,京都頂法寺の寺中僧坊の名で,同寺の司僧であった池坊専慶室町時代末,15世紀後半に挿花で名を揚げ,池坊の生け花の開祖となる。

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デジタル大辞泉の解説

いけのぼう〔いけのバウ〕【池坊】

華道の池坊流の家元の名。

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百科事典マイペディアの解説

池坊【いけのぼう】

いけばなの一流派。室町中期,六角堂で名高い京都頂法寺の僧池坊専慶を祖とし,最古の伝統を有する。立花(りっか)を主とし,生花(せいか)は従。家元は代々〈専〉の字を冠する。
→関連項目遠州流小原流中川幸夫

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世界大百科事典 第2版の解説

いけのぼう【池坊】

いけばなの一流派。池坊とは,元来,京都六角堂で知られる頂法寺の坊の名であり,六角堂は室町時代には洛陽七観音の一つとして,貴賤の信仰をあつめた。また霊場として人々が集まりやすく,曲舞(くせまい)のような娯楽の催しもひらかれて,一般庶民に親しまれるところであった。それをさらに発展させたのが,いけばなとの関連である。15世紀の中ごろ,8代将軍足利義政の時代には,同朋衆をはじめ多くの花の名手があらわれたが,池坊の寺僧にも巧みに花を立てるものがあった。

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大辞林 第三版の解説

いけのぼう【池坊】

〔京都の紫雲山頂法寺(通称は六角堂)の坊の名〕
生け花の流派名。また、この流派の家元の姓。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

池坊
いけのぼう

いけ花界最古の流派。いけ花史とともにある流派といっても過言ではない。池坊はもともと頂法寺(ちょうほうじ)の一僧房の名。頂法寺は京都市中京(なかぎょう)区にあり、聖徳太子創建寺院の一つとされ、宗旨は天台宗。聖徳太子が水浴した池のほとりに六角堂を建て、如意輪(にょいりん)観音を安置し、香花を供えて供養したことに始まるといわれる。この縁起のままを信用できないが、鎌倉時代の『続古事談(ぞくこじだん)』『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』などにも六角堂の記述がみえるところからも、かなり古くから知られた寺であったことは確かで、しかも六角堂は効験あらたかな霊場として、西国(さいごく)三十三所第18番の札所でもあり、鎌倉・室町時代を通じて都の人々に親しまれ、その信仰を集めていた。15世紀の初め近江(おうみ)、河内(かわち)の声聞衆(しょうもんしゅう)によって曲舞(くせまい)が催され、観覧料を払っての見物がここで行われるなど、当時のいわば娯楽文化センターの役割をも果たしていた。
 この六角堂の池坊の住僧で、頂法寺の司僧であった専慶(せんけい)(生没年不詳)がいて、1462年(寛正3)に挿花した記録が伝えられている。武将佐々木高秀が専慶を招いて数十枝の草花を金瓶(きんぺい)に立てさせたところ、「洛中(らくちゅう)の好事(こうず)者、来り競ひ之(これ)を観(み)る」とか、「皆その妙を嘆ずる也(なり)」と記されているように、そのころすでにいけ花の名手として知られていた。その後も池坊からいけ花に堪能の者が次々に出て、池坊がいけ花を家系とする基礎をなした。1599年(慶長4)に専好(せんこう)(初代)が京都大雲院の落慶供養のために催した花展の出瓶(しゅっぺい)者名簿に、東福寺の月渓聖澄(げっけいしょうちょう)が長文の序(『百瓶華序(ひゃくへいかのじょ)』、1600)を書いているが、そのなかに「六角と名づくる所あり、真に市中の隠なり。是(ここ)に由(よ)って寺あり頂法と号す、当(まさ)に其(そ)の乾(いぬい)の方、深居あり、名づけて池坊と曰(い)う、累代、華を瓶の裡(うち)に立つるを以(もっ)て家業と為(な)す。其の元祖を専慶と曰う。専慶より今の池坊専好法印に至る、累(かさねること)十三葉」とある。「累十三葉」というのは「専慶―専能―専秀―専勝―専和―専昭―専増―専明(初代)―専承―専誓―専応(せんのう)―専栄(せんえい)―専好(初代)」の13名である。このなかで専応、専栄の1500年代は、池坊の花が将軍同朋衆(どうぼうしゅう)の阿弥(あみ)系の花を押さえ、独占的な地位を確立した時代で、このころから口伝、伝書も多く著されている。池坊の花が立花(りっか)様式として大成するのは桃山時代から江戸時代にかけてであり、その活動の中心になったのは専好(2代)であった。この時代の池坊は桃山城郭建築にふさわしい豪華な立花形式を生み出し、当時の武将の求めに応じ、また後水尾(ごみずのお)天皇(在位1611~29)の立花愛好奨励もあって、天皇はじめ門跡(もんぜき)、公家(くげ)の間に出入りし、その催しや指導にあたるなど目覚ましい活躍をみせている。
 元禄(げんろく)年間(1688~1704)にはその門下の大住院以信(だいじゅういんいしん)、高田安立坊周玉(あんりつぼうしゅうぎょく)、十一屋太右衛門(じゅういちやたうえもん)、富春軒仙渓(ふしゅんけんせんけい)らが活躍し、池坊立花はますます精美を尽くしたものとなり、『立花大全(りっかだいぜん)』『立花時勢粧(いまようすがた)』といった伝書が刊行され、その基本構成が確立するなど最隆盛期を形成するが、この時期を頂点として、立花は定型化し発展の歩みを止めると同時に、内部紛争もあり、やがて江戸いけ花生花(せいか)諸派がおこるに及んで、いけ花界における池坊独占の地位は後退する。その系譜は専好2代以後、専存―専養―専好(3代)―専純―専意―専純(重任)―専弘―専定―専明(2代)―専正―専啓―専威と続き、現家元の専永に至る。いずれにしてもその長い歴史のうえに築かれた潜在的地盤は、今日もいけ花諸流中最大の組織を維持し、とくに第二次世界大戦後、新しいいけ花の研究にも意欲をみせ、1952年(昭和27)には京都市に池坊学園短期大学を、60年には東京都御茶ノ水に池坊学園お茶の水学院を設立するなど、近代システムによるいけ花教育を実施して成果をあげ、現在国内に300余の支部をもち、海外にも多くの門下生を送っている。[北條明直]
『大井ミノブ・小川栄一著『いけばな史論考――池坊を中心に』(1997・東京堂出版)』

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世界大百科事典内の池坊の言及

【家元】より

…とくに茶道や花道のような客観的な技術の評価がむずかしい型の文化を伝授する芸能では,流祖以来血脈的な権威の継承が重要な意味をもち,なおかつ家元成立の条件として多数の素人入門者が家元を経済的に支えていることがある。池坊では1678年(延宝6)より門人帳が作成され,江戸時代後期になると茶道の堀内家の門人帳も作られるなど,各茶花道の流儀では家元に誓約をたてて入門する門人制が広く成立する。誓約の内容は家元の権限,弟子の義務にかかわるもので,その第一は免許権と教授権である。…

【六角堂】より

…現本堂は明治の再建,ほかに太子堂や親鸞堂などがあり,参詣者が絶えない。 六角堂は寺内塔頭(たつちゆう)の池坊が執行として代々経営管理に当たったが,この池坊は花道家元として名高い。すなわち池坊専慶が東山時代に立花(たてはな)の名手として世に知られ,花道池坊を創始し,ついで天文年間(1532‐55)専応(せんおう)が池坊の流れにおける花道を大成して花書を著し,朝廷や幕府や諸門跡に重用された。…

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