障子(読み)しょうじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

障子
しょうじ

建具の一種。古くは窓そのほかの開口部の枠の内部にはめて横引きに開閉する (ふすま) や板戸を含めてすべて障子といい,桟の間に紙を張った採光に役立つものを明り障子と呼んだ。しかし現在では,一般にこの明り障子のことを単に障子という。普通は下方の一部分に板がはめられ,その大きさと形状によって,腰付障子,腰高障子などの名称がある。中央にガラスをはめたものを額入障子またはガラス障子という。穏やかな採光が得られ,ガラス戸と二重にすると保温にも役立つ。和風住宅の縁側と室内の境に多く用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

しょう‐じ〔シヤウ‐〕【障子】

室内の仕切りや外気を防ぐのに用いる建具の総称。明かり障子ついたてふすまなど。近年は、格子に組んだ木の枠に白紙を張った明かり障子をいう。そうじ。 冬》「あさがほの枯蔓うつる―かな/万太郎
鼻中隔(びちゅうかく)の俗称。鼻の二つの穴の間の仕切り。

そう‐じ〔サウ‐〕【障子】

《「そう」は「しょう」の直音表記》「しょうじ(障子)」に同じ。
「―貼(は)らすべきことなど」〈浮舟

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百科事典マイペディアの解説

障子【しょうじ】

和風家屋に用いる建具の一種。障子の名称は古く奈良時代からあったが,これは昆明池(こんめいち)障子のような衝立(ついたて)や荒海(あらうみ)障子賢聖(けんじょう)障子のような襖(ふすま)形式のものの総称であったらしい。四周を框(かまち)で組み,内部を桟で縦横に組み,和紙をはって採光できるようにした現在の障子は明り障子ともいい,鎌倉時代から普及しはじめた。障子紙が光の透過率が大きく,通気性をもつことから,居室の建具として現在でも日本住宅に多く利用されており,中央部にガラスをはめ込んだ額入障子,そのガラス部分に開閉できる小障子を組み込んだ猫間(ねこま)障子,植物油を塗った耐水性の東(あずま)障子などがある。→障子紙
→関連項目衝立大和絵

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日本文化いろは事典の解説

障子

障子は、平安時代から現在まで、和風住宅に欠かせない建具として使われています。吸湿性や断熱性が高いだけでなく、日光を柔らかく拡散させることで、自然な明るさを作りだして人に心地よさを与えてくれることは、障子が好まれる大きな理由でしょう。

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リフォーム用語集の解説

障子

日本家屋における扉、窓に用いる建具の一つで、明かりを通すように木枠に紙張りという構成になっている。光や音、空気は透過させ、視線は透過させないといった独特の特徴を持っている。現代においてはインテリアとしての再評価の他、ガラス戸との組合せによる断熱効果、紫外線の軽減効果などで見直されつつある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうじ【障子】

和風建築に用いられる建具の一種。古くは戸,衝立(ついたて),襖(ふすま)などの総称であったが,現在は明障子(あかりしようじ)をさす。障子の語はすでに奈良時代の《西大寺資財流記帳》(780)に見られ,〈補陀羅山浄土変一鋪〉は〈障子絵〉で周囲に〈紫細布縁〉を施していたという。また平安宮清涼殿の〈昆明池障子〉は《伴大納言絵詞》によれば衝立の形式であり,同じく〈馬形障子〉も現在伝えられるものは衝立である。一方,同じ清涼殿内の〈荒海障子〉や紫宸殿の〈賢聖(けんじよう)障子〉は嵌(は)め殺しの襖の形式をみせている。

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大辞林 第三版の解説

しょうじ【障子】

和風建築の屛障具へいしようぐの総称。格子の両側に布または紙を貼ったもの。部屋の境や窓・縁などに立てる。紙や布を貼った襖ふすま障子、移動可能な衝立ついたて障子、薄紙や絹を貼った明かり障子などがある。中世以降片側に紙を貼った明かり障子が発達し、障子といえば明かり障子をさすようになった。そうじ。 [季] 冬。 →
現在の建具の一。格子に組んだ木の枠の片面にうすい白紙を貼ったもの。敷居にはめて明かりとりや部屋の仕切りなどに用いる。明かり障子。
鼻中隔びちゆうかくの俗称。 「鼻の-」
[句項目] 障子に目あり 障子貼る

そうじ【障子】

〔「しやうじ」の直音表記〕
しょうじ(障子)」に同じ。 「この一つ車にて物しつる人の、-をへだててあるに/蜻蛉

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家とインテリアの用語がわかる辞典の解説

しょうじ【障子】

日本家屋の開口部に用いる建具の一つ。古くは戸・衝立(ついた)て・襖(ふすま)などの総称であったが、こんにちでは格子に組んだ木の枠の片面に和紙を張った、採光のできる明かり障子をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

障子
しょうじ

部屋と縁側との境に用いる格子に組んだ桟の外側に紙を貼(は)った引き違いの建具。平安時代の初めには、行動あるいは視線を遮るための障害となるものをさしていた。具体的には、壁のように柱間にはめ込んだパネル、たとえば内裏の紫宸殿(ししんでん)で使われた賢聖(けんじょう)障子、衝立(ついたて)、清涼殿(せいりょうでん)東廂(ひがしびさし)に置かれていた昆明池(こんめいち)障子、あるいは年中行事障子などを障子とよんでいた。
 平安時代の中ごろには、柱間にはめ込まれた障子に設けられた出入口についていた開き戸が引き戸に変わり、さらに引き違いに発展した。この引き戸に変わった初期のものを鳥居障子とよんでいる。このころの障子は、木の桟を格子状に組んだものを骨として、その両面に何層もの紙の下貼りをした上に、布または紙で上貼りをし、周囲に漆塗りの框(かまち)をつけていた。布で上貼りしたものを衾(ふすま)障子、紙で上貼りしたものを唐紙(からかみ)障子とよんでいる。衾障子には絵が描かれるのが普通で、唐紙は裏または略式の場合に使われている。唐紙は本来中国からもたらされた紙のことで、色付や木版で文様を刷り出していたが、しだいに日本でも同じような紙がつくられるようになり、広く使われるようになった。開き戸が引き戸に変わった理由はわからないが、このころ初めて日本建築独特の引き戸あるいは引き違いの建具としての障子が生まれた。
 鎌倉時代に描かれた絵巻物では、縁を大きくとった襖(ふすま)障子が家の中の間仕切りに盛んに使われている。格子に組んだ桟の外側に紙を貼った明(あかり)障子が絵画史料のなかで初めて認められるのは、平安時代末につくられた『平家納経』の見返しで、建物の外回りに引き違いの明障子に使われている。明障子が文献史料にみられるようになるのは、平安時代後半である。
 中世に入ると、明障子は舞良戸(まいらど)と組み合わされて外回りの建具として広く使われるようになり、とくに中世住宅を特徴づけるようになる。このころの明障子は通常、全面に荒く格子を組んだ、腰のない形式である。この時代の形式を伝える明障子は、元興寺極楽房禅堂、東福寺竜吟庵(あん)本堂などに現存する。当時の明障子には、縦框の見込みを溝いっぱいにとって、一筋の溝の中で引き違いにするものがみられる。中世には低い腰のついた腰障子、半分ほどの高さまで舞良戸形式の腰がある腰高障子、縦桟を細かくした虫籠(むしこ)障子など、各種の明障子がつくられた。
 近世の初期に一筋の敷鴨居(かもい)と戸袋のある雨戸が用いられるようになると、雨戸と同様に同じ敷鴨居と戸袋を使って明障子を開けたてする替障子が住宅の外回りに使われるようになった。この形式の替障子は、二条城二の丸の大広間の南・西面、黒書院の南面などに使われていたが、現在は大きな戸袋が残っているだけで、明障子は柱間に立て込む形式に改造されてしまった。
 付書院(つけしょいん)の欄間(らんま)には桟を斜めに組んだ菱(ひし)格子が比較的多く用いられているが、江戸時代には数寄屋(すきや)風の意匠が発展するとともに、明障子の桟の組み方や意匠にさまざまな変化がみられるようになった。その代表例は京都島原の角屋(すみや)で、縦横の桟を吹寄せにしたもの、縦桟を波のように曲線に削り出したもの、縦横の桟をすべて斜めに配したもの、中にガラスをはめたものなど一部屋ごとに変化している。さらに幕末から明治にかけて桟にさまざまな具象的な模様を入れたものが現れ、雛形(ひながた)本も出版された。東京目黒の雅叙苑(がじょえん)には、その典型例が数多くみられる。
 また、襖障子、唐紙障子、明障子など各種の障子の名称は簡略化され、襖、唐紙、障子が基本になって、近年は障子が明障子だけを意味するようになっている。同時に住宅の洋風化に伴って障子が使われることが少なくなっているが、一方では数寄屋風の意匠や民芸調の意匠が料亭、飲食店、迎賓館などでもてはやされ、猫間(ねこま)障子、雪見障子などさまざまな意匠がくふうされている。[平井 聖]

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