山階道理(読み)ヤマシナドウリ

デジタル大辞泉 「山階道理」の意味・読み・例文・類語

やましな‐どうり〔‐ダウリ〕【山階道理】

藤原氏氏寺山階寺興福寺)が藤原氏の権勢を頼んで無理を押し通したところから》非理非道が権力により道理としてまかり通ること。

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精選版 日本国語大辞典 「山階道理」の意味・読み・例文・類語

やましな‐どうり‥ダウリ【山階道理】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「山階」は山階寺、すなわち興福寺 ) 山階寺は藤原不比等の建立した氏寺で、その権勢をたのんで非道をおし通したところから、山階寺の非理非道は道理として通用し、逆らうことができないことを称したもの。
    1. [初出の実例]「いみじき非道事も、山階寺にかかりぬれば、又ともかくも人もの言はず、山しな道理とつけて、おきつ」(出典:大鏡(12C前)五)

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世界大百科事典(旧版)内の山階道理の言及

【道理】より

…泰時にかぎらず,中世の裁判で自己の主張もしくは判決の正当性を理由づけるために用いられた道理は,法的なもの,慣習的なもの,道徳的なもの,さらにより高次な正義・衡平観念であって,場合によっては法規範や道徳規範と矛盾する道理もありえたし,その時点,その場面にしか通用しえない心理的・感性的な道理も存在した。したがって道理は著しく客観性を欠き,その極端な例は興福寺(山階(やましな)寺)が力によって無理非道を押し通すことをさした〈やましなどうり(山階道理)〉なる表現であろう。一般に裁判に勝つことは道理が認められたことを意味したため,道理は勝訴の同義語としても用いられた。…

※「山階道理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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