岩戸尾(読み)いわどお

日本歴史地名大系 「岩戸尾」の解説

岩戸尾
いわどお

[現在地名]廿日市町佐方本町

佐方さがた川の左岸にある小山で、岩戸山ともよぶ。「芸藩通志」所載絵図に「岩戸尾古城跡」とみえ、近くにある桜尾さくらお篠尾ささおなどとともに七尾ななおと総称される。もとは左右に海が湾入し、岬状につき出た突端にあったと考えられるが、現在は山の北部を含む周辺部の開発で旧状を失いつつある。

房顕覚書」の大永四年(一五二四)五月頃の記事によれば、厳島社神主職争いで大内氏が桜尾城を攻略した際、その大将陶晴賢が当地に陣を構えている。同年一〇月二八日付の友田興藤感状(「芸備郡中士筋者書出」所収山田治右衛門所伝文書)により、当地で合戦のあったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android