日本歴史地名大系 「岫雲院」の解説 岫雲院しゆううんいん 熊本県:熊本市春日村岫雲院[現在地名]熊本市春日三丁目花岡(はなおか)山の南東麓にあり、大平山春日寺と称し、臨済宗大徳寺派、本尊如意輪観音。一般には春日(かすがん)寺で知られ、バス停留所も春日寺前である。「国誌」に「開基不分明、初ハ春日寺ト号シ、菊池郡正観寺末寺ト云伝フ」とあり、「春日大明神社」の項に「岫雲院境内ニアリ」として、延久五年(一〇七三)菊池則隆が社建立の時に春日寺をも勧請したとする。本尊胎内の彩色銘により、天文一一年(一五四二)頃は天台宗で、天正末年に菊池正観(きくちしようかん)寺の末寺となったことがわかる。岫雲院由緒書(熊本市中央南部地区文化財調査報告書)によれば、創建は延久三年、延暦寺末寺で、菊池氏の祈祷寺であったとし、正観寺の隠居渭雲が廃退した春日寺を中興したともいう。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報