島添大里城跡(読み)しましぃおおざとじょうあと

国指定史跡ガイド 「島添大里城跡」の解説

しましぃおおざとじょうあと【島添大里城跡】


沖縄県南城(なんじょう)市大里西原にあるグスク(城)跡。沖縄本島東海岸の南端近く、標高約150mの舌状に伸びる琉球石灰岩の丘陵東端に位置し、北から西にかけては急峻な崖になっている。城の規模は南北約210m、東西約270mで、2重の城壁で囲まれ、内郭を囲む城壁は高さ約6mで、長さ約175mが残存する。外郭石積み城跡の西と北東に残り、礎石建物の正殿の遺構が確認され、中国製陶磁器や金属製品、装飾品などが出土した。築城年は不明であるが、三山分立時代の南山王・島添大里按司(あじ)が南山城(なんざんじょう)(別名、島尻大里城)の出城として築城し、15世紀の初め、のちに三山を統一する尚巴志(しょうはし)が最初に攻略し、その拠点となった城である。グスクの脇にはチチンガー(包井)という井戸の石垣が残っている。2012年(平成24)に国の史跡に指定された。那覇空港から車で約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報