日本大百科全書(ニッポニカ) 「南山城」の意味・わかりやすい解説
南山城(村)
みなみやましろ
京都府南東端、相楽(そうらく)郡にある府下唯一の村。滋賀、三重、奈良県に隣接し、JR関西本線、国道163号が通じる。平地に乏しく、伊賀(いが)盆地から西流する伊賀川と笠置(かさぎ)山地を北流する名張(なばり)川が合して木津(きづ)川となる。名張川には洪水調節と灌漑(かんがい)を兼ねた高山ダムがある。チャとシイタケの栽培が盛んで、宇治茶(煎(せん)茶)の主産地。北部の山地には明治初年、士族授産を目的とする童仙房(どうせんぼう)の開拓が行われたが、交通の便を欠き、成功に至らなかった。春光寺の薬師如来(にょらい)立像は国の重要文化財。面積64.11平方キロメートル、人口2391(2020)。
[織田武雄]
『『童仙房開拓百年の歩み』(1969・南山城村)』