島野浦村(読み)しまのうらむら

日本歴史地名大系 「島野浦村」の解説

島野浦村
しまのうらむら

[現在地名]延岡市島浦町しまうらまち

熊野江くまのえ村・須怒江すぬえ村の東、現延岡市北東の日豊海岸海上の島にある村。文禄五年(一五九六)六月二八日に京都を立った藤原惺窩大坂から船で薩摩国へ向かう途中、七月九日に「嶋ノ浦」に寄港している。当時山に囲まれ樹木が茂った浦で、家三軒があった。夜半浦を立ち翌一〇日に細島ほそしま(現日向市)に着いている(南航日記残簡)。東と南は太平洋に臨み険しい海食崖が続く。西湾には天然の良港である島野浦湊があり、延岡藩主参勤交代時の最初の寄港地で、茶屋一ヵ所があった(延享四年「諸事聞合に付返答書」牧野家文書)。「日向地誌」によれば湾の幅三町余・奥行三町、海深一四―一五仭、「往来ノ舟船風ヲ候スル者多ク碇舶ス」とみえ、海上交通の要所で、一千石未満の船なら一四〇―一五〇艘が係留できたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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