嶋上郡衙跡(読み)しまのかみぐんがあと

国指定史跡ガイド 「嶋上郡衙跡」の解説

しまのかみぐんがあと【嶋上郡衙跡】


大阪府高槻市川西町・清福寺町・郡家新町にある奈良時代の郡衙(役所)跡。指定名称は「嶋上郡衙跡 附寺跡(つけたりてらあと)」。芥川中流域の西岸北西に連なる丘陵が低く延びた微高地上に位置する。この遺跡は畿内(きない)で確認された最初の郡衙跡で、郡衙成立前後の集落構造や歴史背景を考えていくうえで貴重なことから、現在は素盞鳴尊(すさのおのみこと)神社の境内になっている西隣の芥川廃寺(あくたがわはいじ)跡もあわせ、1971年(昭和46)に国の史跡に指定された。周辺の調査で、弥生時代、古墳時代の遺構に重なって、奈良時代の大型の掘立柱建造物群跡が判明した。三彩陶片、木簡、河原石を積み上げた井戸からは上郡(かみごおり)の墨書をもつ土師器(はじき)数点が出土。この付近一帯を郡家(ぐんげ)と呼ぶことからも、この地がまさに嶋上郡衙の中心地であったと考えられる。都や国の役所にならって、儀式の場・庁院や税を納める正倉などが整えられ、庁院の西側には郡寺(芥川廃寺)、北に位置する式内社・阿久刀(あくと)神社の周辺には嶋上郡の郡司(長官)一族の住まいがあった想定される。JR東海道本線高槻駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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