川内浦(読み)かわちうら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「川内浦」の意味・わかりやすい解説

川内浦
かわちうら

長崎県平戸市(ひらど)北東部の地区。平戸島東岸、平戸港の南西4キロメートルの地点に位置する。17世紀オランダ、イギリス両国との貿易が行われた当時、川内浦は平戸港の外港をなし、倉庫群や船舶修理所、風待ちの船員のための宿舎妓楼(ぎろう)もあった。妓楼跡と伝えられる丸山(まるやま)は現在公園として整備され、鄭成功(ていせいこう)の居宅跡と廟(びょう)がある。また、当時外国人のための食料としてくふうされたという「川内蒲鉾(かまぼこ)」も現在伝統産業として生産されている。湾内では真珠養殖が盛んである。背後には川内峠の景勝地がある。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の川内浦の言及

【平戸[市]】より

…主産業は農漁業で,米作を中心にタバコ栽培,平戸牛として知られる肉牛の飼育,養豚などが行われる。水産業は一本釣りを主とする零細な沿岸漁業が多く,平戸瀬戸のアゴ(トビウオ)漁も有名で,干しアゴは川内(かわち)浦の川内かまぼことともに特産品である。 旧平戸町に亀岡城跡,常灯(じようとう)の鼻とよばれる灯台跡の石垣などが残る平戸オランダ商館跡(史),1702年(元禄15)に築かれた石造アーチ橋の幸(さい)橋(オランダ橋。…

※「川内浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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