川奈村(読み)かわなむら

日本歴史地名大系 「川奈村」の解説

川奈村
かわなむら

[現在地名]伊東市川奈

伊豆半島北部が大きく東へふくらんだ部分の先端にあって、北・東は相模灘に面し、西は新井あらい村。東浦ひがしうら路の本道からは外れているが、海路要衝幕府の巡見使も当地に泊まる。川奈崎の内湾にある小網代こあじろ湊は帆船時代の風待ち港として利用が多かったが、ほかに小浦こうら(築港)たま湊・川奈湊(外来船は本川奈とよぶ)があり、この四つの総称を川奈湊とよぶ。弘長元年(一二六一)六月二七日の日蓮書状写(日蓮聖人遺文)に「伊豆の伊東かわな」とあり、伊東に配流された日蓮をもてなした船守弥三郎夫婦への感謝が記されている。永享六年(一四三四)一二月二九日に万寿院に打渡された伊東庄内九ヵ村のなかに「河名」がみえる(「中原師貞打渡状」円覚寺文書)恵鏡えきよう院の天文一三年(一五四四)の旧記に「伊豆州伊東庄河名村」、天正一八年(一五九〇)四月日の豊臣秀吉掟書(長沢文書)に「伊豆国川奈郷」とある。

元禄郷帳では高一一八石余。初め幕府領、天和二年(一六八二)に相模小田原藩領、寛政四年(一七九二)駿河沼津藩領となり幕末に至る(韮山町史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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