本道(読み)ホンドウ

デジタル大辞泉 「本道」の意味・読み・例文・類語

ほん‐どう〔‐ダウ〕【本道】

中心となる大きな道路本街道。「本道不通になる」→間道
物事の正当な道筋正道本筋。「民主政治本道からはずれる」
漢方で、内科のこと。
「―、外科一代の名医数十人」〈太平記・二五〉
[類語](1街道往還道路/(2本筋本流直流正道本格的正式本式正格正しい正則正統正調正規公式格調格式品格品位風格おおやけ公的本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しいフォーマル本格まっとう主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー

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精選版 日本国語大辞典 「本道」の意味・読み・例文・類語

ほん‐どう‥ダウ【本道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中心になる主な道。間道、脇道に対して主となる道。また、江戸時代、幕府が指定し、設備した本街道。ほんみち
    1. [初出の実例]「余拝左右大将・次将等還従本道」(出典:御堂関白記‐長和五年(1016)正月二九日)
  3. 正しい筋道・方法。正しく中心とされる道筋、段階。
    1. [初出の実例]「当世の申楽の稽古を見るに、みなみな、二曲三体の本道よりは入門せずして」(出典:至花道(1420)二曲三体事)
  4. ( 形動 ) 誠実・方正なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「Fondǒna(ホンダウナ) ヒト」(出典日葡辞書(1603‐04))
  5. 漢方で内科をいう。本術。
    1. [初出の実例]「本道・外科一代の名医数十人」(出典:太平記(14C後)二五)
  6. ( 「道」は北海道の略 ) 話題にしているこの北海道。
    1. [初出の実例]「べにますますのすけは特に本道に限り産する所の魚類なり」(出典:風俗画報‐七六号(1894)人事門)

ほん‐みち【本道】

  1. 〘 名詞 〙ほんどう(本道)
    1. [初出の実例]「ほんみちは人めしげければ」(出典:浄瑠璃・公平関やぶり(1662)五)

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普及版 字通 「本道」の読み・字形・画数・意味

【本道】ほんどう(だう)

幹線路。〔唐書、劉晏伝〕居るの脩行里、粗樸陋(ひろう)、飮儉狹なり。~然れどもに任ずること久しく、勢ひ宰相に軋(せま)る。~江淮よりの橘(めいきつ)珍甘、常に本貢し、競ひて先づ至らんと欲す。~常に府に冠たり。

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改訂新版 世界大百科事典 「本道」の意味・わかりやすい解説

本道 (ほんどう)

医学用語では漢方の内科系医学を指す。内科系治療法が薬物をおもに内用(内服)させる内治の術であるのに対し,外科系では薬物を外用させたり手術を施して治療する外治の術が行われた。中国でいう外科の呼称は内科との対比で用いられた。日本で室町期の戦乱の世が要求した医術技術の分科として生まれた外科系専門医に中国で用いられている外科の呼称を採用するに当たって,その名が初出する《太平記》では本道・外科と対比させて用いている。内科系を医学の本流とし外科系を傍系とみなす思考の反映である。こうして本道医を他の医師の上位とする風潮は江戸時代にも引き継がれ,幕府医官の場合も含め諸藩にあっては本道(本科)医は外科系医官の上位にあり,後者が本道医並の扱いを受けることは異例の抜擢ばつてき)であった。内科を重んじ外科を軽んずる風潮は西欧にもみられ,外科医は長い間内科医の指揮下におかれ,医師の資格は内科系医師が独占してきた。
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