川辺郷・川辺庄(読み)かわべごう・かわべのしよう

日本歴史地名大系 「川辺郷・川辺庄」の解説

川辺郷・川辺庄
かわべごう・かわべのしよう

現真備町川辺を遺称地とし、後述の年貢額からすると郷(庄)域はかなり広域に及ぶと推定される。「和名抄」下道郡河辺かわべ郷の郷名を継ぐか。文和元年(一三五二)九月二二日、将軍足利義詮の下文で小山孫三郎跡の「河辺郷」内一分地頭職が雅楽以秀に与えられている(同年一〇月七日「沙弥某施行状写」古証文)。「建内記」正長元年(一四二八)五月二一日・同三〇日条によると、万里小路時房の父嗣房が幕府より当郷を与えられたが、時房と義兄の豊房との間で相論が起き、豊房は嗣房が拝領した文書を抑留して押領した。足利義持の時に拝領文書で安堵を求めたところ押領を理由に没収され珎蔵主に与えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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