巨智郷(読み)こちごう

日本歴史地名大系 「巨智郷」の解説

巨智郷
こちごう

和名抄」所載の郷。訓は高山寺本・東急本ともに「古知」。「播磨国風土記」に巨智里があり、巨智氏が初めてこの地に居住したことに由来して命名されたという。里内に草上くさのかみ村・大立おおたち丘がある。大立丘は応神天皇がこの丘で国見をしたことに由来するという。また正倉院蔵調に「播磨国餝磨郡巨智郷戸主己智田主」との墨書がある。巨(己)智氏は「新撰姓氏録」大和国諸蕃に「出秦太子胡亥也」とあり、秦氏と同じ秦の始皇帝の太子胡亥の子孫との伝承を説く。また「日本書紀」欽明天皇元年二月条に百済人己知部を大和国添上そうのかみ郡の山村に置いた。これが山村己知部の祖先であると記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android