播磨国風土記(読み)はりまのくにふどき

精選版 日本国語大辞典 「播磨国風土記」の意味・読み・例文・類語

はりまのくにふどき【播磨国風土記】

  1. はりまふどき(播磨風土記)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「播磨国風土記」の解説

播磨国風土記
はりまのくにふどき

諸国風土記の一つ。成立は風土記撰進の官命がでた713年(和銅6)の直後と考えられる。地名起源の説明では現存風土記中で最も詳しく,文体も和文調が強い。地名起源説話には天日槍(あめのひぼこ)命や品太(ほむだ)天皇(応神天皇)など記紀神話にみられる神や人物のほか,伊和大神(いわのおおかみ)など本書のみに登場する独自の神々も活躍。現存諸本は平安後期に書写した三条西家旧蔵本(天理図書館蔵,国宝)を祖本とするが,未整備の部分が多く,巻首と明石郡,賀古郡の一部が欠け赤穂郡の記事もない(赤穂郡は風土記成立当時は未成立か)。「日本古典文学大系」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「播磨国風土記」の意味・わかりやすい解説

播磨国風土記
はりまのくにふどき

播磨国 (兵庫県) に関する古代地誌。1巻。和銅6 (713) 年官命によってつくられた各国別の地誌で,いわゆる「古風土記」の一つ。現存本には総説,赤石郡,賀古郡の一部が欠落し,また赤穂郡の記事も欠いている。『古事記』に似た変体漢文で記され,現存古風土記中最も素朴さが濃いとされている。伝説,説話を多量に含む点,田の地味を9等に分けて詳しく注記している点,掲出地名のすべてに説明を加えている点,物産の記事がきわめて少い点などが特色

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「播磨国風土記」の意味・わかりやすい解説

播磨国風土記
はりまのくにふどき

地誌。一巻。715年(霊亀1)以前の成立と推定される。国土形成の神の物語に特色があり、記紀の異伝がみられる。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「播磨国風土記」の意味・わかりやすい解説

播磨国風土記 (はりまのくにふどき)

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世界大百科事典(旧版)内の播磨国風土記の言及

【播磨国】より

…国名は《古事記》《旧事本紀(くじほんぎ)》等に〈針間〉と記され,播磨の表記が一般化するのは710年ころ以後である。郡名も飾磨がもとは〈志加麻〉,宍粟が〈宍禾〉などと表記されていた(藤原宮出土木簡,《播磨国風土記》)。 《旧事本紀》は律令制にもとづく播磨国の成立以前,明石国造,針間鴨国造,針間国造の3国造がいたとする。…

【風土記】より

…ただ現伝本は鎌倉時代末期に省略の手が加えられ,白壁,河内の2郡をまったく欠き,省略がないのは総記と行方(なめかた)郡の分だけである。
[《播磨国風土記》]
 713年の風土記撰進の官命に応じて中央官庁に提出された文書(解)で,官命に指定された条項にもっとも忠実に答えようとしており,山川原野・里名の由来はあまねく採集し,土壌の品質についても上ノ中,中ノ下,下ノ中などと分類していちいち注記しているのは注意すべきである。土地の生産性の高低はそこに生活する人たちの生産性を規定せずにはおかないし,播磨には鉄の生産地や土器や石材の生産地が存在することと関係して考えさせるものがあるからである。…

※「播磨国風土記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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