草上郷
くさのかみごう
「和名抄」所載の郷。訓は同書高山寺本「久左乃加三」、東急本「久佐乃加美」。奈良県明日香村出土木簡に「(表)旦波国多貴評草上」「(裏)里漢人部佐知目」とあり、七世紀の居住氏族が判明する。神亀三年(七二六)の山背国愛宕郡出雲郷雲下里計帳(正倉院文書)に、出雲下郷戸主出雲臣宿奈麻呂の従父
・子足売が「但波国多癸郡草上郷」にいるとの注記がみられ、山背国との交流がうかがえる。
草上郷
くさのかみごう
「和名抄」所載の郷。東急本は「久佐乃加三」と訓じる。「播磨国風土記」によると巨智里内に草上村があり、地名は韓人山村らの祖先である柞巨智賀那が同地を開発したところ、非常に臭い草の根があったことにちなんだものという。百済系氏族巨智氏による開発を示す説話である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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