巨頭症(読み)きょとうしょう(その他表記)Macrocephaly

家庭医学館 「巨頭症」の解説

きょとうしょう【巨頭症 Macrocephaly】

[どんな病気か]
 頭の大きさは、巻き尺で前頭部と後頭部を通る頭の周囲(頭囲(とうい))を計測し、その最大値で決めます。正常な子どもの頭囲は、脳の発育と一致して増加します。
 測定した頭囲の値が、標準の頭囲発育曲線の上限を上回ったときに、巨頭症と診断します。したがって巨頭症は特定の疾患ではなく、さまざまな疾患を背景に、頭が異常に大きくなる病態を指します。
[原因]
 代謝性(たいしゃせい)疾患による神経細胞の肥大や異常な増殖(ぞうしょく)、さまざまな神経皮膚症候群(しんけいひふしょうこうぐん)、軟骨異形成症(なんこついけいせいしょう)、薬物中毒による脳の腫脹(しゅちょう)(腫(は)れ)、頭蓋骨(ずがいこつ)の肥厚ひこう)、急性期・慢性期の水頭症(すいとうしょう)や硬膜下腔液体貯留(こうまくかくうえきたいちょりゅう)などが原因となります。
[治療]
 症状は、精神運動発達障害、てんかんなど、人によって異なります。
 水頭症や硬膜下腔液体貯留の場合は、脳神経外科的な治療を必要とします。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の巨頭症の言及

【骨軟化症】より

…摂取する飼料中のカルシウムまたはリンの不足,両者の比率の不均衡(正常1~2:1)およびビタミンD3の不足が本症の原因とされている。主要症状は骨と関節の痛みであり,跛行(はこう)を呈し,ウマでは巨頭症と呼ばれ,頭骨が腫大し,次いで骨折を起こす。また背の弓状湾曲もみられる。…

※「巨頭症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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