肥大(読み)ヒダイ

デジタル大辞泉 「肥大」の意味・読み・例文・類語

ひ‐だい【肥大】

[名](スル)
太って大きくなること。「官僚組織肥大する」
「よく―した種のいい豚」〈黒島伝治豚群
生体一部容積が増すこと。細胞の数が変わらないものをいうが、広義には細胞数の増加によるものも含めていう。鍛練による生理的なものと病的なものとがある。
[類語]大きい大きな大いなるでかいでっかいどでかい馬鹿でかい大振り大形大柄大口大作り大粒粗大嵩張かさばビッグでかでか巨大ジャンボジャイアントマクロマキシマムマンモスキングサイズ過大豪壮雄大壮大大規模壮麗広壮極大最大特大強大超弩級ちょうどきゅう大掛かり大仕掛け大大的

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精選版 日本国語大辞典 「肥大」の意味・読み・例文・類語

ひ‐だい【肥大】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ふとって大きくなること。また、肥えて大きいことやそのさま。
    1. [初出の実例]「肥大曾非菓下流、雖一尾五徳」(出典:本朝文粋(1060頃)一・無尾牛歌〈源順〉)
    2. 「一人の肥大な老紳士」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉七)
    3. [その他の文献]〔礼記‐礼器〕

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改訂新版 世界大百科事典 「肥大」の意味・わかりやすい解説

肥大 (ひだい)
hypertrophy

一般には,生体の細胞,組織,器官体積が増加すること。医学病理学では,ある組織や器官に,それら予備力をこえる仕事の要請があるとき,自己の機能を増すために,臓器の体積を増す必要が生じるが,この際,個々の細胞の体積を増大させて臓器の体積を増すことを肥大という。肥大は細胞分裂能を失った細胞からなる臓器に顕著にみられる現象で,細胞のタンパク質量などを増加させるためリボ核酸の活動が活発となる。仕事の要請には,力学的なもの,代謝亢進によるものなどがあるが,いくら仕事の要請があっても,一定の限界以上には臓器は肥大しない。肥大の例としては,肉体労働者の骨格筋や,高血圧患者の心筋にみられる(これを作業性肥大という)。妊娠子宮の平滑筋細胞は非妊娠時の10倍にも達するが,これは卵胞ホルモン刺激による肥大である。1対になっている臓器の一方廃疾となったり,手術摘出をうけたりすると,残った一方が機能を代償するために肥大する。これを代償性肥大という。進行性筋異栄養症では,筋繊維自体は萎縮消失し,脂肪細胞が欠損部を埋め,残った筋繊維が肥大するため,筋繊維の量が少ないにもかかわらず,見かけ上,健常部よりも太く見えることがある。これを仮性肥大という。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肥大」の意味・わかりやすい解説

肥大
ひだい
hypertrophy

組織や臓器の容積が増加することをいう。この場合,組織を構成する個々の細胞が容積を増すものと,細胞の数が増加するものとがある。前者は単純肥大と呼ばれ,たとえば心筋の肥大はこれにあたる。後者は数的肥大または過形成という。しかし実際には,この両方が同時に起ることが多い。肥大を原因からみると,まず,臓器の機能を高める必要があるために肥大を起す作業肥大または機能性肥大がある。たとえば高血圧症の心臓,労働者の筋肉などがこれに属する。また,腎臓の一方を摘出したとき,他方の腎臓が肥大するが,これは腎機能の不足を補うためなので,代償性肥大という。

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普及版 字通 「肥大」の読み・字形・画数・意味

【肥大】ひだい

太る。

字通「肥」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「肥大」の解説

肥大

 細胞の容積が大きくなり臓器,組織が大きくなること.普通細胞の増殖で大きくなることを含めない.

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