差し分く(読み)サシワク

デジタル大辞泉 「差し分く」の意味・読み・例文・類語

さし‐わ・く【差し分く】

[動カ四]ことさらに区別する。
「―・きては心よからぬ事こそ侍れ」〈宇津保・蔵開中〉
[動カ下二]
に同じ。
「玉江こぐ蘆かり小舟―・けて誰をたれとか我は定めん」〈後撰・雑四〉
分割する。
「その勢三千余騎を―・けて」〈太平記・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「差し分く」の意味・読み・例文・類語

さし‐わ・く【差分】

  1. ( 「さし」は接頭語 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
    1. ことさらにする。わざとする。
      1. [初出の実例]「人をしも、さしわきて、空酔ひをしつつかくのたまふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
    2. 違いを区別する。また、特別に扱う。
      1. [初出の実例]「これかれつどはれてさわがしかりしほどは、さしわきたるやうなりしかば、え」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
    1. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「さだめなく吹きくる風をさしわけてなどかしづけき人につくらむ」(出典:千里集(894))
    2. 分ける。分割する。
      1. [初出の実例]「其勢三千余騎を指分(サシわけ)て、水の辺に陣を取せ」(出典:太平記(14C後)七)

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