差答(読み)さしいらう

精選版 日本国語大辞典 「差答」の意味・読み・例文・類語

さし‐いら・う ‥いらふ【差答】

〘自ハ下二〙 (「さし」は接頭語)
① 答える。返事をする。
源氏(1001‐14頃)藤裏葉河口のとこそ、さしいらへまほしかりつれとのたまへば」
② 助言する。助勢する。楽器合奏したり、歌謡などを合唱したりする。
※源氏(1001‐14頃)絵合「所々の判ども、心もとなきをりをりに、時々、さしいらへたまひけるほど、あらまほし
③ 横から口出しする。
※枕(10C終)一六二「さるあたりには、しげうまゐり給ふなるものをとさしいらへたりとて」

さし‐いらえ ‥いらへ【差答】

〘名〙
① 人の話に適当に受け答えすること。また、そのことば
※枕(10C終)二六九「さもあるまじき人の、さしいらへをもうしろやすくしたるは、うれしきわざなり」
演奏唱歌などを共にすること。合奏。合唱。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「けふの御あそびのさしいらへに、まじらふばかりの手づかひなん、おぼえず侍りけるとけしきばみ給ふ」

さしらえ さしらへ【差答】

〘名〙 (「さしいらえ(差答)」の変化した語) 応答。返事。応対
※源氏(1001‐14頃)若菜上「つねよりもおほんさしらへなければ、すさまじく、しゐてきこゆべきことにもあらねば、ひきしのびて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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