返事(読み)ヘンジ

デジタル大辞泉 「返事」の意味・読み・例文・類語

へん‐じ【返事/返辞】

[名](スル)
呼びかけに対して答え言葉。答え。返答。「大きな声で―する」
返答の手紙返信返書。「諾否の―が届く」
[用法]返事・返答――「速やかに誠意のある返事(返答)を期待する」ではともに用いられる。◇「返事」は呼びかけや問いかけに対する答えから、手紙・質問・依頼招待などへの答えまで広く用いられる。「気のない返事」「返事はすぐ書いた方がいい」「読者の質問に返事を出す」◇「返答」は、特に質問・要求などに対する答えで、改まった感じが強い。「返答につまる」「あいまいな返答では納得できない」◇類似の語に「回答」がある。「回答」は公的な質問・要求などに対して文書または口頭で正式に答えること。「アンケートに回答する」「会社側の回答には不満だ」
[類語](1生返事二つ返事代返相槌/(2返信返書往信来信音信

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「返事」の意味・読み・例文・類語

へん‐じ【返事・返辞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ことばを返すこと。また、返すことば。
    1. (イ) もらった手紙や和歌、また、質問、問合わせなどに対して、答えて返す手紙、和歌、文書など。かえりごと。かえり。かえし。
      1. [初出の実例]「たえて御かへりなし。〈略〉などかははかなきへんじをだに絶えてなき」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. (ロ) 呼びかけられて相手に応じ返すことば。応答語。
      1. [初出の実例]「物をいひふくむる返事に、あとこたふる」(出典:名語記(1275)二)
      2. 「此アアといへるは女の返詞(ヘンジ)也」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)
    3. (ハ) 諾否を答えること。承知か不承知かを言いやること。
      1. [初出の実例]「先ちょっとしらせましょと呼にやり、返事はどふじゃと手をたたき」(出典:洒落本・遊客年々考(1757))
  3. 贈り物の返礼。返礼の品。おかえし。
    1. [初出の実例]「先度就御状御礼也。御返事御太刀〈真次〉被之」(出典:親元日記‐文明一五年(1483)五月一八日)
  4. 遊里で、客から呼ばれること。お座敷がかかること。
    1. [初出の実例]「万助どん、返事はどこどこぢゃいなア」(出典:洒落本・北川蜆殻(1826)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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