巻添（読み）まきぞえ

精選版 日本国語大辞典

まき‐ぞえ‥ぞへ【巻添】

1. 〘 名詞 〙
2. ① ( ━する ) 他人のひき起こした事件や行為に関連して、罪や迷惑、損害をこうむること。ひきあい。かかりあい。まきぞい。
   1. [初出の実例]「松を蔦そめてまきぞへに時雨哉〈平吉〉」(出典：俳諧・口真似草（1656）四)
   2. 「本家の損失借財、其外の散財に巻添(マキゾヘ)せられて、竟に出店を立がたく」(出典：人情本・英対暖語（1838）四)
3. ② 質物を入れる時に、要求金額に対する担保品の不足を補うもの。
   1. [初出の実例]「まきぞへが入ならばわしが繻子の帯も有」(出典：浄瑠璃・傾城反魂香（1708頃）中)

まき‐ぞい‥ぞひ【巻添】

1. 〘 名詞 〙 「まきぞえ（巻添）」の変化した語。
   1. [初出の実例]「きついありがたがり様にあったが此方の孫まで巻(マキ)ぞひにころりと投てのけたが」(出典：談義本・世間万病回春（1771）五)

出典　精選版 日本国語大辞典