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傾城反魂香 ケイセイハンゴンコウ

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デジタル大辞泉の解説

けいせいはんごんこう〔ケイセイハンゴンカウ〕【傾城反魂香】

浄瑠璃時代物。三段。近松門左衛門作。宝永5年(1708)大坂竹本座初演。名古屋山三(さんざ)狩野派土佐派の絵師らをからませた御家物。「吃又(どもまた)」のくだりが有名。

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世界大百科事典 第2版の解説

けいせいはんごんこう【傾城反魂香】

人形浄瑠璃時代物近松門左衛門作。大坂竹本座初演。下之巻に〈ゆたか成年は子のとし〉とあり,1559年(永禄2)没法眼元信の百五十年忌に当たるところから,1708年(宝永5)子歳上演と推定されている。3段曲。狩野元信土佐光信の婿となり,絵所の預りとなった史実によって仕立てたお家騒動物。元信をめぐり,勅勘の身の土佐光信の娘遠山(太夫名,のちにやり手みや)と,主君六角頼賢の娘銀杏の前との恋のからみと,敵役不破道犬・伴左衛門親子,絵師雲谷ら悪人による受難を縦筋として,それに名古屋山三不破伴左衛門の〈鞘当(さやあて)〉を織り込んだ作。

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大辞林 第三版の解説

けいせいはんごんこう【傾城反魂香】

人形浄瑠璃。時代物の一。近松門左衛門作。1708年初演。狩野元信が土佐光信の婿となり、絵所預となった史実に、吃どもの又平伝、反魂香の説話、不破名古屋の廓の達引たてひきなどを織り込む。上の巻の「将監閑居」(通称「吃又」)が有名。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

傾城反魂香
けいせいはんごんこう

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。3段。近松門左衛門作。1708年(宝永5)8月(推定)大坂・竹本座初演。絵師狩野元信(かのうもとのぶ)の一五〇年忌を当て込んだ作といわれ、元信が土佐将監光信(とさのしょうげんみつのぶ)の女婿(じょせい)になり絵所(えどころ)を開いた事績に、名古屋山三(さんざ)や吃(ども)の又平の伝説などを取り混ぜたもの。題名の由来は、漢の武帝が名香をたいて亡き李(り)夫人のおもかげを見たという反魂香の故事に基づき、将監の娘である傾城遠山(とおやま)が元信と契りながら六角(ろっかく)左京太夫の娘銀杏の前(いちょうのまえ)に恋を譲って死に、その霊魂が元信の眼前へ姿を現すという話(中・下の巻)にあるが、有名なのは浄瑠璃でも歌舞伎(かぶき)でも上の巻「将監閑居」で、俗に「吃又(どもまた)」とよばれ、独立して多く上演される。
 将監の弟子浮世又平がことばが不自由なため望みを失い、女房とともに死を決して形身の自画像を石の手水鉢(ちょうずばち)に描くと、魂がこもって画像が裏へ抜け出る奇跡がおこり、功によって土佐の名字を許されるという筋で、質実で口無調法な又平と、男勝りで雄弁な女房(歌舞伎では役名おとく)の対照が見どころ。従来、後世に改作した『名筆傾城鑑(めいひつけいせいかがみ)』(1752)が多く行われてきたが、近年はもっぱら原作に忠実な台本によって上演されている。[松井俊諭]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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