デジタル大辞泉
「ころり」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ころり
- [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
- ① 小さい物が転がり落ちるさまを表わす語。
- [初出の実例]「心に吸あいたと思う時に腹もはらわたもつえやぶれてまんまるになりてひとりころりとおつるぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)
- ② 物、または人が転がるさま、横たわるさま、倒れふすさまなどを表わす語。
- [初出の実例]「所からなんぎのあくしょなれば、ゑいやとはぬれば、ころりところび」(出典:虎明本狂言・文蔵(室町末‐近世初))
- ③ 急に死ぬさま、たやすく死ぬさまを表わす語。
- [初出の実例]「小六ころりと死んだあとまで〈西花〉 町衆も不詳についた竹の杖〈西六〉」(出典:俳諧・西鶴五百韻(1679)葛何)
- ④ ことが容易に行なわれるさま、また、ことを容易に行なうさまを表わす語。
- [初出の実例]「花月など、すねたる能にて候。ただころりとし候がよく候」(出典:禅鳳雑談(1513頃)上)
- ⑤ 前の状態とまるきり変わってしまうさまを表わす語。すっかり。まったく。
- [初出の実例]「いかなる頑なる財人も重財をほろぼし、皆ころりと堅気を止(やめ)」(出典:談義本・当世花街談義(1754)二)
- ⑥ 丸みを帯びてかわいらしいさまを表わす語。
- [初出の実例]「『何だか厭に嬉しさうだね、気に入った子がゐたの?』『〈略〉一寸ころりとした可愛いのがゐた』」(出典:残夢(1939)〈井上友一郎〉二)
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① 銭高百文。駕籠舁、馬子などの用いた符丁。
- [初出の実例]「是は弐匁の内八分宿(やど)へとらるるとかや。又当座百(ころり)の女は此内四分とらるるぞかし」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)六)
- ② ⇒コロリ
コロリ
- 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] cholera に「ころりと死ぬ」の「ころり」の連想が加わってなまった語 ) =コレラ
- [初出の実例]「その権兵衛は四年後、コロリで夫婦行きましたよ」(出典:歌舞伎・龍三升高根雲霧(因果小僧)(1861)大切)
コロリの補助注記
民間ではコレラよりコロリの方が多く使われ、コロのような派生形もあった。江戸時代以降、古呂利、虎狼病、虎狼痢、暴瀉病、頃痢など多くの漢字表記がなされた。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のころりの言及
【コレラ】より
…オランダの医師ポンペが《日本滞在見聞記》に記録しているように,長崎に入港した米艦ミシシッピ号が持ち込んだ。病勢は激甚を極め,九州,四国から大坂,京都,江戸,さらに遠く箱館(函館)にまで及び,多数の死者を出したため,民衆は〈ころり〉と呼んで恐れた。江戸だけでも死者10万余あるいは26万余人を数えたという。…
※「ころり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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