市場庄村(読み)いちばしようむら

日本歴史地名大系 「市場庄村」の解説

市場庄村
いちばしようむら

[現在地名]三雲村市場庄

三渡みわたり川の下流右岸の低地に位置し、小津おづ村の南にあたる。西はなかしよう村、南は久米くめ村、東は松崎まつさき(現松阪市)。往昔上ノ庄・中ノ庄に対して下ノ庄とよばれ、また市村ともいったという(三雲庶民史)。枝郷に三渡村(現松阪市)がある。村内を伊勢参宮街道が通る。小字名に大行寺だいぎようじや北の丸があり、中世寺院や城館の存在が推定される。また竈屋かまやの字名は塩竈に由来するものであろう。中世には醍醐寺領の曾禰そね庄に含まれたものと思われる。貞和三年(一三四七)九月四日の曾禰庄三ケ郷沙汰人百姓等請文(醍醐寺文書)に「下郷寂蓮、上郷円勝、久米郷右馬允」とみえ、下郷は当村の旧名といわれる。天正一四年(一五八六)には神田清右衛門が当地と大阿射賀おおあざか(現松阪市)で一〇〇貫文を領知していた(神田文書)。伊勢参宮街道は同一六年のまつしま城下(現松阪市)の松坂移転以前は東の字古屋敷ふるやしき古市場ふるいちばに沿って通過していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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